52.イベントと個人情報保護法

イベントを実施するうえで、個人情報に触れる機会は案外多いものです。
 

2004年4月1日、ついに個人情報保護法が施行されました!
 

これにより、個人情報の漏洩に、罰則が付きました。
・違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は三十万円以下の罰金
・報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金
 

さて、個人情報とは何かというと、
 

特定の個人を識別することができるもの、すべてを指します。
個人を特定する一切の情報であれば何でも「個人情報」になりうるのです。
 

例えばスーパーマーケット。ポイントカードを発行していれば、顧客名簿がPCに保存しているはず。ネット販売のお店も顧客データを持っているはず。
病院ならばカルテから起された通院者リスト。その他、いろいろな業種で持っている会員リストや、お得意様名簿・・・。
 

これらすべてが「個人情報」です。
 

私の感覚で云うと、去年の暮れあたりから、「個人情報」がにわかにクローズアップされ始めたような気がします。お尻に火が点いた、というか。
 

「Pマーク」というものもこの頃初めて知りました。もちろん、個人情報を常に扱っている大手の会社は、着々と準備を進めていたのでしょうが。
 

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※「Pマーク」(プライバシーマーク)
プライバシーマーク制度は,民間事業者の個人情報保護体制がJIS Q 15001に準拠しているかを、財団法人日本情報処理開発協会およびその指定機関が審査し、認証を付与する制度。
「Pマーク」を取得していると、個人情報保護に関して体制が整っている会社だという証になり、仕事が受けやすくなる。
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手帳を繰ってみると、去年(2003年)の11月に、ある大手新聞社に呼ばれました。「個人情報保護法対策会議」です。関係各社50社ほどが狭い会議室に集められました。
 

私の会社は、その新聞社がシンポジウムや講演会等を開催する時、事務局を何度か仕事で受けていました。(「事務局」はほとんど外注です)
新聞紙上に「観覧希望者募集」の告知が出ると、よく「応募は“事務局”宛に往復ハガキで」と書いていますよね。あれです。
 

応募ハガキが時には何千と届き、名簿整理のためにアルバイトを動員して、PC(エクセル)で一覧表を、せっせと作ります。
そこには当然、住所、氏名、年齢、性別、電話番号が書かれています。
 

この名簿は完成時点で、「データ」や「冊子」にして主催者に引き渡すのですが、自社のPCに残ったデータや、紙にコピーした書類の処理をどうするかという取り決めは、ない同然でした。
 

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「個人情報保護法対策会議」で話されたこと、それは私にとって驚きの連続でした。
その一部を書くと、
 

1.重要書類を、メール添付で送るのは、ダメよ!
2.バイク便で届けるのも、ダメ!
3.持参し、必ず直接担当者に手渡すこと。
4.担当者がいなければ持ち帰る!
5.事務局のコンピュータは、インターネットに繋がない。
6.社内ランもダメ!
7.事務局に関る社員は限定し、秘密保持契約を結ぶこと。
8.不要になった書類は、すべてシュレッダーにかけること。
9.事務局終了時点で、すべての書類は破棄すること。
 

私のショックは、「これは時代の逆行」だということ。
 

昔は確かに、手持ちで書類を届けていました。それがバイク便になり、すぐにメールで送れるようになって、「なんて便利な世の中になったものか」と感慨に浸っていたのです。
 

それともうひとつ、『これは経費がかさむなあ』ということです。
担当者への手渡しは、時間と交通費のムダだし、インターネットに繋げないコンピュータは、他の業務との併用が出来ない。社内ランがダメだと、他のPCとプリンターの共有が出来ない。シュレッダー、買わなきゃいけないし、あとは何をそろえなきゃいけないの?
 

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そこに集まった同業者が等しく感じたこと。それは、『Pマーク取っとかなきゃ、仕事無くなるな』ということでしょう。私もそう考えました。
 

Pマークを取得するには、申請前にまず、
・社内体制の確立
・社内ルールの策定
・社外ルールの策定が必要だと云います。
 

社長が「個人情報保護」に本気で取り組み、社員に周知徹底させ、社内の設備を「それ用」に変更しなければなりません。
ところが、案外これにはお金が掛かるのです。噂では300万と聞きました。
 

4月1日、法律の施行と同日に、財団法人日本情報処理開発協会への申請料が倍に値上がりしました。
小さな会社で30万円。中規模の会社は60万円。大規模の会社は120万円です。
2年ごとに更新料も掛かります。
 

「これって、なんなんだろうね?」と思いませんか?
個人情報保護の大切さは、重々承知ではあるのですが。