31.長与千種が好き!(2)

「クラッシュギャルズ」のふたり(長与千種とライオネス飛鳥)は、若手3人を引き連れて、イベント会場に乗り込んできました。
 

当初の主催者側のリクエストは、「クラッシュギャルズ」の握手会とサイン会。事前の「全日本女子プロレス」との打ち合わせにより、カラオケによる「新曲発表会」と、若手女子プロレスラー3人のお披露目が追加されました。
 

主催者サイドに異存はもちろんありません。テナントである「新星堂」さんがレコード(当時)の販売を受け持ち、60分1回のステージの実施が決定しました。
 

     ◇         ◇         ◇
 

「炎の聖書」か「嵐の伝説」か忘れましたが、オープニングは彼女たちの歌から始まりました。集まったファンの9割は女性。クラッシュギャルズの登場と同時に、「ウッ・ワーン」と耳をつんざく黄色い歓声が上がり、用意したPA(音響装置)では物足りないほど。
つくづく、今や女子プロレスは、「宝塚」を越えたな、と感じました。
 

なにせ、「踊って、歌って」「殴る、蹴る」「時に“コノヤロー”などと汚い言葉も平気で云える」のですから。
 

歌が終わって、ユーモアを交えた挨拶。持って生まれたスター性なのか、格闘家としての自信なのか、長与千種は盛んに、涼やかな「流し目」を集まったファンに送っていました。それがまた、すこぶるイイ!
 

次のコーナーでは、若手3人を呼び込み、クラッシュギャルズによる「道場風景」の再現。つまり「シゴキ」の絵図!
確かクラッシュギャルズも、若手3人も、トレーニングウェアだったと思います。ライオネス飛鳥は、竹刀を握っていたはず。
 

海老ゾリの、ブリッジをした若手3人の腹に、長与と飛鳥が交代で乗り、足を地上から離して揺すり、「ウンウン」云わせたり、一人の腹に、2人してまたがって、「エイ!」と、つぶしたりもしたんじゃなかったかな。
 

その後、レコードを買ってくれたファンとの握手会で、イベントは終了しました。全体的な印象としては、体育会系のノリが会場内を支配していて、不思議とさわやかなものでした。
 

 *           *            *
 

イベント終了後、「彼女たち」は、控え室に戻ることなく、埼玉の「試合会場」へ向けて出発して行きました。電車でイベント会場に来ていた若手3人の女子プロレスラーを、急きょ、うちの若手ADが、荷物運搬車で試合会場まで送り届けることになりました。
 

斜に構えた、シニカルさを売り物にしている「若手AD」でしたが、翌日、すっかり「女子プロレス」ファンになって戻ってきました。
 

「どうだった?」と聞いたところ、
「橘さん、女子プロレスって、最高っすよ!」という答えが返ってきました。
なんでも、リングサイドの、かぶりつきの席で、試合を見せてもらったとのこと。
「しまった、オレが行くんだった!」
きっと、行きの車中でも盛り上がったんだろうなー。しかし後の祭りでした。