18.宝飾フェア(2)

『宝飾フェア』では、当時盛んに行われていたいろいろな会社の全国キャンペーンとは違って、7大都市以外に行けることが最大の楽しみでした。
おいしいお酒と美味しい肴に出会えるのも、地方都市ならではのものです。
 

3日間のうち、初日、2日目は2回のショーが終わればその日の仕事終わり。
大体、会場と同じホテルが宿泊場所だったので、地方とは云え一流ホテル、すこぶる快適でした。
司会者とヘアメイクはツインルームを使用。モデルは当然一人部屋を与えられ、ディレクターである私は、男一人であるがゆえに同じく一人部屋でした。
(女性のディレクターの場合は、ヘアメイクと同室。司会者にツインのシングルユースの権利が回ってきました)

 

女5人に男がひとりの地方巡業。
モデル3人、司会者1人、ヘアメイク1人、ディレクター1人の6人編成。男はディレクターである私一人。
だからといって、特別いいことがあったとという訳ではないのです。
仕事終りで街に6人で繰り出すと、私はまるで、「三つ揃い・縦縞のスーツを着込み、後ろに美女をはべらせた“佐藤蛾次郎”状態」でした!(佐藤蛾次郎氏出演のそんな映画を見たことがあります)
 

つまり、結構みっともない役を私は振られた訳です。
何せモデルは背が高い。さらにヒールを履いており、冬など止せばいいのに毛皮のコートを着たりする。そしてとどめはスッピンにサングラス!
司会者だって、ヘアメイクだって、近頃の若いコは案外背が高い。そしてふざけてモデルを真似て、スッピン&サングラス。こんな集団が街をワイワイ浮かれて歩く姿を想像してみてくだされ。
 

一癖もふた癖もあるモデル連中。
みんないいコたちでした、慣れ親しめば。
ツンと澄ましているようで、最初はなんと意地の悪いヤツらだと憤慨しました。
それなのにショーのなかでは、あんなに凛(リン)として気品さえ漂い、綺麗なのはどうしてだろうと、見とれている自分が不思議でした。
 

ある東京のモデルさんには、ショーのなかのワンシーンでの、絶妙な首すじの角度に目を奪われました。大阪のモデルさんには、その風貌が女子プロレスの長与千種(クラッシュ・ギャルズ)そっくりだったので、懸想(けそう)しました。即・隠れファンになりました!
 

           ◇         ◇         ◇
 

ホテルの朝食バイキングの席でよくした話は「オバケ話」。どう云う訳か、金縛りや、いろいろな霊体験の話題で盛り上がったものです。【結論】→「モデルさんは、女優さんと一緒で、霊感が強い人が多い!!」