10.タイガーマスクに会った(1)

私は、初代タイガーマスクとイベントで仕事を共にしたことがあります!
 

タイガーマスクが新日本プロレスで絶頂期の頃、東京郊外の百貨店から依頼を受け、たしかゴールデンウィークのイベントに「タイガー」を仕込みました。
 

当時、男子のメジャープロレス団体は「新日」と「全日」のふたつしかなく、両方ともゴールデンタイムにテレビ放映されていました。勢いはというと、ほぼ均衡しており、『猪木&馬場』の両雄が並び立つ形がずっと続いていて、少しマンネリ化していました。
 

わが家では“女の中に男がひとり~”状態で、「残酷だ」「野蛮だ」というシュプレヒコールに挫かれながら、私は意地になってプロレスを見続けていました。
なにせ幼稚園の頃、父親と一緒に「ナマで力道山を見た世代」ですから、年季が違います!
テレビがまだ普及していなかった時代、金曜夜八時、近所の家に“もらいテレビ”をした世代ですから、根性が違います!!
 

とは云うものの、幼い娘ふたりを前に、チャンネルの奪い合いをするのは、父親として肩身が狭い。
妻が「お父さんは仕事をしてきて疲れているのだから、見せてあげなさい!」と云われるのもミジメな気分でした。
そんな頃、突如「タイガーマスク」がテレビに登場したのです!
 

私は、テレビアニメの『タイガーマスク』世代ではありませんでしたが、新日に登場した「ナゾの戦士タイガーマスク」には、度肝を抜かれました。
古館伊知郎実況の『ワールドプロレスリング』(テレビ朝日系)は、それまでのスポーツアナの常識を超えた彼の語りとあいまって、タイガーマスクの登場により、空前のブームをまきおこしました。
今までそっぽを向いていた妻や娘たちも、タイガーマスクの試合にだけは「テレビに釘付け状態」になりました。
 

そんな時、あるデパートから「タイガーマスク」をイベントに呼びたいという仕事が入ったのでした。